株式会社xenodata lab.は、独自開発の大規模言語モデル(LLM)を搭載した経済予測AI「xenoBrain」を提供し、企業の意思決定を支援しています。AIがもたらす経済変革の最前線に立ち、事業の未来を切り拓いている創業者の関 洋二郎さんに事業概要、起業当時の気づき、経営者として健康を維持するために実践しているトレーニングについて伺いました。
【目次】
【第1章】独自開発の経済予測AI「xenoBrain」
【第2章】ひきこもりから公認会計士、AI起業家へ
【第3章】累計18億円の資金調達。投資家に評価されるポイントとは
【第4-1章】関さんの健康習慣① 20kg減に成功。「みんなを太った社長の社員にさせない」
【第4-2章】関さんの健康習慣② 週1回筋トレ、18時間ファスティング
【第5章】経済予測AIの未来と、SaaSを超えた展望
【第1章】独自開発の経済予測AI「xenoBrain」
― xenodata lab.の事業概要を教えてください。
株式会社xenodata lab.(ゼノデータ・ラボ)は2016年2月に設立したスタートアップで、テクノロジーの可能性を追求し、経済予測を通じて世界を変えることをミッションとして掲げています。 その実現に向けてAI技術の研究やプロダクトの開発に注力し、企業の意思決定を支援する革新的なソリューションを提供しています。
私たちの主力製品「xenoBrain(ゼノブレイン)」は、独自に開発した大規模言語モデル(LLM)を搭載した経済予測AIプラットフォーム。企業業績や原材料価格、製品需給、マクロ統計など多岐にわたった予測分析を可能にして経営者の意思決定をサポートしています。
近年、予測AIの発展は目覚ましく、株価予測など局所的に特化したAIサービスを提供する企業も増えています。しかし、経済分析に特化した大規模言語モデルを独自に構築し、予測AIと組み合わせたサービスを提供する企業は、日本ではxenodata lab.以外存在しません。

― その技術力はどのように実現させているのでしょうか。
それには3つあります。まず、xenodata lab.には優秀なエンジニアが活躍していること。2つ目に、創業以来学習データを蓄積して精緻化してきたこと。3つ目に、ダウ・ジョーンズ社や時事通信社、帝国データバンクと提携し、信頼性の高い情報を収集していることです。これらによって企業業績や市場動向の予測精度を高め、事業会社の経営意思決定や業務効率化を支援しています。
― 現在(2025年2月)、どのような業界や企業がxenoBrainを利用していますか?
製造業やBtoBのサービス業といった非金融機関の方々にご利用いただいています。例えば、製造業では需要や価格予測、ITサービス業では業界分析や経営戦略策定にご活用いただくことが多いですね。
コロナのように世の中の不確実性が高まってきた今日では「何となく今年は10%伸びるかな」といった従来の経験則が通じなくなり「精緻な予測や見立てを立て、合理的に経営したい」とお問い合わせいただくケースが増えています。経営企画では「来年は半導体の需要が下がるから設備投資をやめておこう」といった経営判断に、営業企画では未上場企業の業績予測データを使った「成長見込みのある業界・企業のリスト作成」などにお役立ていただいています。

― 導入企業の方々からはどのようなお声が上がっていますか?
化学メーカーのように多様な製品を扱う企業の場合「来年はどの製品がどれくらい売れるのか」を予測するのは容易ではありません。従来であれば現場への聞き込み調査を行い、その情報をもとに関数モデルを作成するか、データサイエンティストを雇うしかありませんでした。xenoBrainを導入した方々からは「膨大な作業が必要だった予測分析や将来の見立てが『検索するだけ』になった」とご評価いただいています。
【第2章】ひきこもりから公認会計士、AI起業家へ
― 関さんはどのような大学時代を過ごしたのでしょうか。
入学直後から馴染めず引きこもっていたんです。そこで、4ヶ月ほど車で各都道府県を回る旅に出ました。山の中でガソリンがなくなった時や道に迷った時など、旅先では多くの方に助けられましたね。私は上京するまでは地元の茨城で勉強と部活に明け暮れていたため「旅に出るとこんなに世界が広がっていて、こんなにすばらしい方に出会えるんだ」と感動しました。
同時に、地方を旅する中で過疎化の問題に直面しました。山道でガードレールがなかったり、高齢者しかいないエリアが点在したり。当時から人口動態の構造変化やイノベーションが進まない状況から「日本は衰退する」と指摘されていたため「これに抗うために一石を投じる仕事に就く」と決心しました。
当時の私には突出した才能があるわけではなく、インターネットの発達していない時代で「公認会計士」以外の選択肢が思い浮かびませんでしたが、資格取得に向けて2年間猛勉強しました。4年の夏に試験が終わった頃には就活期間が過ぎて就職できず、数少ない候補の中で最も給料が高かったPwCに入社しました。
その頃、大前研一氏の書籍「ザ・プロフェッショナル」に書かれていた「21世紀は英語、IT、財務がビジネスパーソンの必須スキル」に影響を受けてIT部門を志願したんですよね。「会計士がIT部門を選ぶのはめずらしい」と言われながらも、IT監査やデータ監査を5年間担当し、技術の知見を深めました。
― その後、ユーザベースにジョインしていらっしゃいますね。
ユーザベースではプロダクト開発のディレクションを担当しました。エンジニアに開発を依頼し、仕様を設計し、テストを実施。当時社長だった新野さんやセールス担当と調整しつつエンジニアとの橋渡し役を務めました。開発の要件や資料を作成し「次はこれを開発してほしい」「この部分を調整できるか」といった緻密なやりとりを繰り返しながら、モチベーション高くプロダクトを磨き上げていきましたが、次第に「やり尽くした感」も抱くようになりました。
その頃、シリコンバレーに訪れた際に現地の起業家たちと話す機会があり「次はAI、フィンテック、IoTだ」と言われたんですよね。今では当たり前の概念ですが、「そうなんですね」と返答するのが精一杯だった。やがてアメリカで経済系AIサービスが登場したのを機に「自分も挑戦するしかない」と決意。ユーザベースを退職し、2016年にxenodata lab.を起業しました。
【第3章】累計18億円の資金調達。投資家に評価されるポイントとは
― xenodata lab.を立ち上げたばかりの頃、どのような失敗をしたことがありますか?
数多くの失敗を経験しましたが、中でも「人の話を聞き過ぎたこと」です。当初は先輩起業家、投資家、将来のお客様になり得る大手企業に勤める方などおそらく200人に会いに行ってお話を伺い、「自分よりも優秀な人材を採用するべき」「創業初日から社長自らが広報に注力するべき」などを素直に実践していました。
ただ、自分の信念や経験と合わないことまで取り入れるのは意味がなかった。今考えると自明ですが、このステージ、このプロダクト、このチームで経営したことあるのは私だけ。私が脳みそに汗をかいて出した結論が一番、正解に近いはず。この「当たり前」に気づくのに3年かかりました。
― xenodata lab.はシリーズCで新たに資金調達を実施し、累計資金調達額18億円を達成しました。起業家が投資家に評価されるには、何が必要でしょうか?
私自身も挑戦の途上にあって語るのは恐れ多いですが、資金が尽きる前までに「やれることは全部やること」です。つまり、数多くの投資家に当たることかな、と。
― 「これは世の中にヒットするはず」とトライアンドエラーを繰り返しても市場にフィットせず諦めた起業家や、コロナのような思わぬ事態で需要が激減して撤退した起業家もいます。スタートアップが事業を推進するのは容易ではないのだと感じます。
成功者の立場で語るつもりはありませんが、上手くいかないと「市場にニーズがなかった」と結論づける方が多いですよね。同時に、よほどセンスがない方を除き、むしろ世の中に求められるアイデア自体は多くの方が思いついているのではないでしょうか。ミニマムプロダクトを出したら大ヒットしたような特殊ケース以外では「これが正解かは分からないけれど、必ず正解にしてみせる」という姿勢がこのフェーズには求められるかもしれません。
【第4-1章】関さんの健康習慣① 20kg減に成功。「みんなを太った社長の社員にさせない」
― こちらのパートでは健康習慣について伺います。関さんはいつから健康を意識するようになりましたか?
2024年3月末頃からで、今よりも20kgも重かったんです。仲の良い先輩や旧友が数年ぶりに集まる飲み会に遅れて参加した時、円卓にいた全員が口々に「久しぶり。洋二郎、太ったね!」と。xenodata lab.のトップとしてあらゆる場所に出る以上、みんなを太った社長の社員にしたらいけないと筋トレ、健康、アンチエイジングを徹底的に学び、自分にフィットした方法を見つけて20kg痩せました。

― 1年弱で20kg減とはすごいですね・・・!もともと、どのような生活から体重が増えたのでしょうか。
普通に朝、昼、晩に食事をしていました。お酒は飲んでいなかったし、ファーストフードも食べていなかったし、間食もしていませんでしたが、ここ数年間運動をしておらず、単純に基礎代謝が落ちていったんだと思います。
― 健康を取り戻すために、どのようなことから着手しましたか?
健康について掘り下げるうちに判明しましたが、健康、ダイエット、筋肥大、アンチエイジングといった各分野が提唱している内容は相互に矛盾しています。さらに、どの角度の効果を得たいのかによって正解は異なるし、医学的見地も時代とともに変わるため、その正解もあってないようなもの。その点から、私は「LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界」に書かれている内容を軸にしました(私自身、医学的知識のない人が誤った情報を流布している世の中に日頃から危機意識を持っていることもあり、こちらを読んでいる方には一個人のエビデンスのない経験談としてご理解いただけたら幸いです)。
【第4-2章】関さんの健康習慣② 週1回筋トレ、18時間ファスティング
― 運動、食事、睡眠それぞれで実践していることをお聞かせください。
運動は週1回以上、エニタイムフィットネスに行って筋トレをしています。基本的には10種類のマシントレーニングや、ダンベルを使った高負荷トレーニング。スミスマシンでは8回が限界の高負荷で3セット。ベンチプレスやショルダープレス、デッドリフトなど毎回変えています(スミスマシンとは、バーベルが上下に固定されたトレーニングマシンのこと)。
食事は毎日18時間ファスティングをしています。夜は早めに夕食を済ませ、翌日のお昼までは食べません。偏食せず、あらゆるものをバランスよく摂っています。意識的に避けているものはお酒や砂糖、精製された米・小麦、人工甘味料、質の悪い油ですね。
睡眠は毎日6.5時間は取るようにしています。寝る直前までパソコンで仕事をしているせいか、最近は夜中に目が覚めてしまって。仕事に区切りをつけたらYouTubeなどの動画を見てリラックスするようにしています(本当は良くないのですが・・・笑)。

― 1年間筋トレを続けてきて、次にどのようなメニューをしてみたいですか?
当初は「代謝を上げるために太腿や背中を鍛える」など、健康を目的として筋トレに取り組んでいました。20kg落とした今は背中、胸、腕、肩を意識的に鍛えたいかもしれません。調べてみると、それにはベンチプレスだけでなく、上半身の各筋肉の内側や下側も鍛える必要がある、と。最近ではYouTubeで効果的な動かし方を見ながらトレーニングしています。
― 「今日は筋トレする気がない」という時はありますか?
最低週1回やると決めているため、気乗りしないことはありません。
― トレーニング中に聴いている音楽はありますか?
無音でトレーニングしているか、YouTubeでお手本の動画を見ています。
― トレーニングではどのようなウェアやスニーカーを着用することが多いですか?
一度買ったアディダスを着ている程度で、特にこだわりはありません。
― トレーニング後はプロテインを飲んでいますか?
「プロテインは飲まない」と決断したんです。プロテインには人工甘味料が入っていることが多く、習慣的に飲んでいると体を壊しかねないため。天然の食材を使用したプロテインがあればぜひ試してみたいですね。そもそもタンパク質は日頃の食事から摂取する方が好きかもしれません。
【第5章】経済予測AIの未来と、SaaSを超えた展望
― 今後、xenoBrainのような経済予測AIプラットフォームが進化したら、社会にどのような変化が生まれるでしょうか。
経済予測AIは、私たちが成功しようと失敗しようと、確実に世の中の当たり前となる技術だと予想しています。従来のデータベースをもとに手作業で経済を予測する時代が続くとは思えないからです。現在、私たちの技術が未成熟段階にあるため、経済予測AIを活用した意思決定は広がりきっていませんが、この分野の革新は必至です。
先駆けとなるのはxenoBrainかもしれませんし、ChatGPTなどの大規模言語モデルを基盤とする技術が予測AI分野を飲み込んでいく可能性もあります。重要なのは「どの企業がやるか」ではなく「経済予測AIが社会のスタンダードになる未来は確実に到来する」ということです。
私はこの「経済 ✕ 予測」を生涯をかけて追求すると決めています。「経済予測の精度を100%にする」といった不可能な命題に取り組み、人類を少しでもそこに近づける。現在は企業の経営意思決定で活用されるSaaSを提供していますが、将来はそれにとどまるつもりはありません。例えば、株価予測を提供するだけではなく、その予測結果をもとに自社で運用するなど、より広範な分野での応用を積極的に進めていきます。
― 数あるAIツールから自社の課題に適したものを選ぶのは難しいと悩む企業も多いと思います。ツールを見極めるポイントを教えてください。
最もシンプルなアプローチは、試してみることです。AIツールは、導入前の段階で完全に最適解を見極めるのは困難です。実際に一定期間使ってみることで、自社の業務にどの程度フィットするかを見極められるのではないでしょうか。ChatGPTのような技術は、特定の課題から生まれたというよりも汎用的な技術革新として生まれたもの。1年間使いこなしてみて、費用対効果が見合わないと判断したら撤退するといった柔軟な姿勢が大切ですね。
― 最後に、xenodata lab.の採用状況についてお聞かせください。
現在、セールスやエンジニアを募集しています。xenodata lab.は、長期的視点でテクノロジーを通じて社会変革を目指す研究開発型スタートアップです。xenoBrainの開発には、①AIの研究開発、②機械学習基盤の構築、③サーバーサイドやUI開発といった領域で3倍のイノベーションが必要です。そのため、長期的に事業を推進できるメンバーが不可欠なんです。
「洗練されたオフィスで、爆速で事業が拡大して社員も増えていく」といった華やかなスタートアップとは異なり、私たちはフルリモート勤務で、一人ひとりがストイックに業務に向き合っています。ただ、メンバーはみんな優しく落ち着いていて、穏やかな組織文化を築いています。私たちのビジョンに共感し、チームと協力しながら組織づくりに貢献したい方や、イノベーションの中核を成すAI領域で腰を据えて挑戦したい方にぜひエントリーいただきたいと考えています。
― 関さん、お話をお聞かせいただきありがとうございました。
(企画・取材・執筆:佐野 桃木 写真提供:xenodata lab. 最高顧問:Z)
● プロフィールはこちら「株式会社xenodata lab.代表取締役社長 関洋二郎さん」
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