VALX代表の只石昌幸さんは「筋トレをすれば、人生も仕事も変わる」と語ります。D2Cブランドの立ち上げ、プロテイン業界での挑戦、極真空手――全ての根底に「日本一しか目指さない」という強い哲学を持ち、強靭な肉体にこそ強靭な精神が宿ると1週間に9回筋トレをしています。なぜ経営者たちは、筋トレを通じて熱狂するのか。只石さんの原点と野望に迫りました。
【目次】
【【プロローグ】
【第1章】どん底から這い上がった男。それが、只石昌幸
【第2章】VALXは「熱狂」。なんなら「日本一」が全て
【第3章】筋トレは続かなくてもいい。「でも、栄養は摂ろうぜ」
【第4章】「日本一になれるのに、なぜ、何もしないのか?」
【エピローグ】
【プロローグ】
只石:すごいね、ボイスメモを3台もセットするの?初めて見た。「2台にしておかないと不安だから」というのはよく見るけれど。
佐野: ありがとうございます。お忙しい方がせっかく時間を作って話してくださったのに、録れていなかったら怖いんですよね。
只石:そうなんだ。ところで「桃木(ももこ)」という名前は誰が付けてくれたの?めずらしいよね。
佐野:ありがとうございます。「木」という漢字になったのは母が画数を考えてくれたからみたいです。
【第1章】どん底から這い上がった男。それが、只石昌幸
― 只石さんについてお聞かせください。
僕を一言で表すと「とにかく日本一しか目指さない男」。一般的なメディアには言わない答え方をしますね(笑)。日本一を目指すために、毎日筋トレをして強靭な肉体を作っています。強靭な肉体の中にのみ、強靭な精神が宿ると考えているんです。
― VALXについて教えてください。
VALXは、サプリメントやプロテイン、アパレル、トレーニングギアなどを展開するフィットネスブランドです。トレーナー界のレジェンドである山本義徳さんの監修のもと、科学的知見とユーザーインサイトを融合させた商品開発に強みを持っています。EAA9やホエイプロテインのような人気商品や直営ジム「VALX GYM」も国内5店舗に展開するだけでなく、香港にもショップを構えるなどグローバル展開も進めています。

― 只石さんが新卒で入社したキーエンスでは、どのような業務をなさっていましたか?
営業です。当時、成績優秀者として入社してしまったので、キーエンスの超高額商品をR&Dセンターや品質保証、大学などの研究所に売っていました。でも、会社でも選りすぐりの優秀な先輩社員たちと営業する部署には馴染めなかった。新人研修の段階から浮いていましたね、商品に対する思いが全く募らなくて。
入社したばかりの頃「新卒のフレッシュな頭を使って企画書を作ってみないか」と先輩に声をかけられて嬉しかったんですが、先輩は新卒全員に声をかけていました。それなのに「自分だけに声をかけてくれた!」と舞い上がって80枚に及ぶ企画書を作成。1年後、それが後にキーエンスの子会社「イプロス」としてリリースされたものの、営業成績の低さから担当させてもらえなかったんです。そこで完全にやる気スイッチが切れて営業成績も伸び悩み、3年で退職しました。
― キーエンスをお辞めになってから「レバレッジ(現在のVALX株式会社)」を起業するまで、どれくらいのブランクがありましたか?
約4年です。まあ、暗黒の時代でした。元キーエンスだから人材紹介会社からはオファーは来たし、面接も受かりました。でも、年収が合わなかったんですよね。「600万円、いや700万円ではいかがでしょう」と言われても「いやいや、僕の価値を分かっていないな」とキーエンス時代の年収から下げたくありませんでした。
そんなふうだったから、どこにも受からなくなっていったんです。当然、その頃は自分が社長に向いているなんて微塵にも思っていませんでした。それどころか、実家は厳しくて「起業だけはするな」という家訓があったほど。けれど、転職活動にことごとく失敗して、起業する以外にお金を稼ぐ方法がありませんでした。
― 只石さんが独立したばかりの頃についてお聞かせください。
2006年に設立したレバレッジは、当初アフィリエイト収益をきっかけに法人化しました。その後、アメーバブログのデザインカスタマイズ事業などで知見を蓄積して個人のブランディングやマーケティング支援に強みを発揮していったんです。2016年には、パーソナルトレーナーとユーザーを繋ぐマッチングサービス「ダイエットコンシェルジュ」を立ち上げ、フィットネス事業へ本格参入。現在のVALXへと繋がる礎を築きました。
― 只石さんがフィットネス事業に関心をお持ちになったのはなぜだったのでしょうか。
空手がきっかけです。始めた頃は試合で勝てなくて、師範に「どうやったら自分でも勝てますか?」と尋ねたら「お前はまだ体ができていないから、筋トレを始めるといい」と。そこで、筋トレを始めてみても正しいやり方が分からない。
たまたまゴールドジムで男性2人が楽しそうにトレーニングしているのを見て「パーソナルトレーナー」という存在を知りました。さっそく試してみると「このパーソナルトレーナーってやべえな。どんどん筋肉が付いて体が変わったし、健康知識や栄養についても教えてくれる。医者いらずじゃん」と体の変化や、彼らの指導力に感動したんです。
一方、パーソナルトレーナーには課題も感じました。この業界ではマーケティングが一般的ではなかったから。そこで「パーソナルトレーナーのマーケティングをしよう。一人ひとりにヒアリングしていると埒が明かないから、メディアを作って皆さんをまとめよう」と立ち上げて、SEOでどのキーワードを検索しても自社メディアがトップに上がるように試行錯誤をしたら結果が出た。これがサービスの始まりですね。
【第2章】VALXは「熱狂」。なんなら「日本一」が全て
― VALXのブランドを育てる中、大切にしてきたものは何でしょうか。
2025年4月には社名を「VALX株式会社」に変更し、ブランドとの一体化を強化しました。まず、絶対的なものとしては、そのブランドから発信されるメッセージ。全てのインフォメーションが本物であることを最も大切にしています。
ただ、本物であることは当たり前のスタートライン。VALXというブランドを見たら「自分も挑戦したい」「勇気をもらえる」となるように、誰かの背中を押せる存在になりたいという思いをVALXのロゴに込めています。ちなみに「VALX」は「BULK(筋肉量)」「VALUE(価値)」「X(無限の可能性)」を組み合わせたオリジナルの言葉です。

― TikTokでは山本義徳さんの動画もよくお見かけします。「VALX 山本義徳 筋トレ大学」のYouTube登録者数は74.9万人、動画数は1840本ですよね(2025年5月現在)。山本さんとタッグを組み始めた経緯をお聞かせください。
パーソナルトレーナー向けのメディアを運営していた頃、約2000人にアンケートを取ると「もっと単価を上げたい」「物販でプロテインを売りたい」という声が集まりました。プロテインを売るなら誰による監修が望ましいかを尋ねたところ、90%以上のパーソナルトレーナーが「山本義徳先生が勧めるなら、お客様に自信を持って紹介できる」と。こうして山本さんへのアプローチを決めた。最初は断られましたが、筋トレ界のど真ん中にいらっしゃる山本さんを何度も訪問し、ご承諾いただくことができました。
― VALXプロテインのWebCMには、人気タレントの菊池風磨さんが出ていらっしゃいます。菊池風磨さんに白羽の矢を当てたのはなぜでしょうか。
アイドル、俳優、バラエティ、そして筋トレに挑む姿勢ですね。どんな世界でもトップを狙い、常に進化し続ける菊池風磨さんに出会って「VALXの理念とこんなに合致する方は他にいない」と、VALXのアンバサダーをお願いしました。また、菊池風磨さんが人生で大変な時期に筋トレをしていたことや、普段からVALXのプロテインを愛飲してくださっていたこともあって、ご一緒させていただきたいとさらに確信しました。
― VALXではプロダクト開発からジム展開、SNS運用まで「熱狂」を軸に施策を練っていらっしゃいますよね。
それは現場のみんなが考えて動いてくれています。弊社は「熱狂」、なんなら「日本一」が全て。「前例のない熱狂を仕掛ける」をミッションに掲げていますが、これも僕が言い続けてきただけ。単純に熱狂しようぜ、人がやらないことをやろうぜ、それだけです。シンプルなことしか実現しないと思っているから。
極論を言うと、日本一を目指していれば自然に熱狂していく。競合がひしめくプロテイン業界というレッドオーシャン、また、ものが溢れている現代社会で勝つためには「一番」を目指さないと、絶対に勝てない。
【第3章】筋トレは続かなくてもいい。「でも、栄養は摂ろうぜ」
― 経営者の筋トレ率は一般的な社会人に比べると高いとのこと。この結果からどのようなことをお考えですか?
上場企業の社長を含む、全国の経営者・会社役員・個人事業主618人を対象にVALXが実施した調査(2023年12月〜2024年1月)で、70%以上の方が何らかのトレーニングをしていて、そのうち筋トレを実践している方が半数以上を占めていることに驚きました。一般の方々と比較しても運動意識の高さが伺えますよね。今の時代は先が不透明だし、何が正解なのかが分からない。経営者たちは動物的な勘で「筋トレをすればビジネスも上手くいくはず」「強いマインドを持てるはず」と、無意識に感じ取っているのではないでしょうか。
― ここからは只石さんの筋トレについてお伺いします。まず、どれくらいの頻度で筋トレをしていらっしゃいますか?
平日は毎日。土日は午前・午後に分けて1日2回トレーニングするので週に「9回」です。1回あたり20分程度。平日の夜は会食を優先したいのでやりません。
― 1回20分の内訳をお聞かせください。
基本的には自宅近くのジムでビッグスリーを鍛えています。木曜日だけパーソナルと自主トレをみっちり2時間行っています。
― ビッグスリーに加えて、特に鍛えているところはありますか?
腹筋ですね。腹筋ローラーを使っています。
― 筋トレする・しないではどのような違いを感じますか?
いや、筋トレは当たり前すぎて。歯を磨いた後に「どういう気分ですか?」と聞かれるのと同じ感覚です。僕にとって、筋トレは毎日の歯磨きみたいなもの。歯を磨いて褒められることもないでしょう?この感覚は超大事ですよ。
― 「やる気が起きない」「雨だからジムに行くのが面倒」など、続かない方もいらっしゃいます。
そういう方はもう、それでいいんじゃないかと思います。
― 筋トレ中は音楽を聞いていらっしゃいますか?
いいえ、筋トレしている時も車を一人で運転している時も無音です。その時に気分を上げる必要がないから。
― 只石さんのお好きなトレーニングウェアやスニーカーはありますか?
会社ではNIKEのAIR JORDAN1以外は履かない。ジムでもスニーカーはNIKE。ウェアは基本的にVALXのものが多いですが、競合ブランドも着心地を把握するために着ることもあります。
― 筋トレ以外にも食生活や睡眠などで気を使っていらっしゃることはありますか?
ありません。お酒も飲むし、その分筋トレをすればいいから。「嫌なことはしない」と決めているので、有酸素運動もしません。
― 「筋トレをすると仕事が変わる。人生が変わる」について、改めてお考えをお聞かせください。
人によるんじゃないでしょうか。僕自身は変わった。原理原則、間違いなく強靭な肉体に比例して精神も強くなるはず。周りの方々には強く勧めているので、筋トレ率が高いですね。

― ビジネスパーソンの皆さんの中には、忙しくて運動が続かないと悩む方もいらっしゃいます。VALXとしてどのようにアプローチしたいとお考えですか?
続かないのは仕方ないし、VALXがどんなに続けましょうとお願いしても難しい。筋トレや運動を続けたくなるような、おいしくて水に溶けやすいプロテインを作るしかないですね。運動が苦手だったらせめて栄養だけは摂ろうぜ、と。実際に、どのブランドよりもおいしさやクオリティにはこだわっていて自信があります。あとは、ご自分のビジョンを持つことでしょう。「絶対に体を良くしてやる」というマインドになって、初めて動くようになりますから。
【第4章】「日本一になれるのに、なぜ、何もしないのか?」
― 只石さんが最も「熱狂した瞬間」をお聞かせください。
すごくシンプル。今、このインタビューに答えている瞬間じゃないですか?要は、目の前のことに熱狂しない人はどこに行っても熱狂できない。
― ありがとうございます。そうやっておっしゃっていただけるのはとても嬉しいです。
そうじゃないと、相手にも失礼ですよね。「先週のインタビューの方が熱狂しました」なんて考えていたら。
― 只石さんにとって「決めて、行動し続ける」を定義している背景と、この記事を読んでいらっしゃる方へのメッセージをお聞かせください。
努力をすれば人生を切り開ける、日本一を目指せば日本一になれる。そうした成功体験を何度もしてきたからこそ「行動し続けること」の重要性を実感しています。だから、止めるわけにいかない。日本一になれるチャンスが目の前にあるのに、なぜやらないのかが分からない。
これを読んでくださっている皆さんには、あなたの人生はもっと崇高ですから、大きな可能性をかけて頑張ってほしいとお伝えしたい。世の中が「物価高なのに給料が上がらない」「老後が不安だ」「何をしても無駄だ」と自信を失いやすい状況下で、信じられるのは「努力すれば人生は100%上手くいく」ということだけ。
「努力したって、結果が伴わないことだってあるじゃないか」と反論されますが、それは努力ではないんですよ。自分がなりたい姿になれるまで、死んでもやり続けることが「努力」。だから絶対に努力した方がいい、それだけです。
分かりやすく言うと、富士山には毎日約5000人が登っていて、10人くらいしか離脱しない。要するに、99%の人が富士山の頂上に到達しているのは、最初から「頂上」を目指しているから。人生でも、富士山の頂上を目指している方はどれくらいいるのでしょうか。VALXは富士山の頂上を目指してテクテクと登っているだけ。そこにはテクニックもなければ、走ることもない。休みたかったら休んでもいい。翌日にその分を歩くだけですから。

― 今後、中長期的にVALXというブランドをどのように進化させたいですか?
まず、プロテイン業界で1位を獲る。これを達成するまでは「世界一」ではなく、「日本一」と言い続けるつもりです。1位を獲ることは、僕にとって「高尾山」のようなもの。さっさと登って「富士山」「エベレスト」を目指す。その「エベレスト」が、RedBull(レッドブル)です。
ゆくゆくはRedBullも超える。日本からRedBullを超えるブランドが誕生すれば、他の日本ブランドも勢いを持って続いてくれるはず。世界でも日本の存在価値もぐんと高まる。そうなると日本人の誇りになりますよね。今はトヨタがそれを1社で担ってくれていますが、それだけでは悔しくないですか?
― 最後に、VALXとしてPRしたいことがありましたらぜひ教えてください。
筋トレをしていない方に向けて。あなたのそのお肌も、その髪の毛も、その爪もタンパク質から出来ている。あなたがビジネスで使っているその脳ですら、タンパク質の塊です。とにかく栄養を摂ってください。もし肉や魚でタンパク質を摂れないなら、プロテインを飲んでください。どんな方でも、本気になって強靭な肉体を持てば日本一くらいならなれる。みんな頑張ろうぜ。そうお伝えしたいですね。
― ありがとうございます。個人的には特に「人生でも富士山の頂上を目指す」というお言葉にも考えさせられました。
【エピローグ】
只石:佐野さんの「経営者に筋トレを聴き続ける活動」を、早く公式メディアにしてくださいね。
佐野:分かりました、すぐ動きます。只石さん、お話をお聞かせいただきありがとうございました。
(企画・取材・執筆:佐野 桃木 写真提供:VALX 最高顧問:Z)
● プロフィールはこちら「VALX株式会社代表取締役 只石昌幸さん」
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